私は自他共に認めるシスコンだが、最近特にその傾向が顕著になってきている。
彼女はマンツーマンの英会話に通っているのだが、ある日の講義で「なぜ、自分を含めた日本の女性は、柔ちゃんのサクセス人生に感嘆しつつも心のどこかで小馬鹿にしてしまう節があるのか」というテーマで延々講師と語り合ったそうだ。
柔ちゃんとはいわずと知れた金メダリストの谷亮子選手であるが、彼女は10代から世界一の座に君臨し、あの容姿からも、誰もが「彼女は今までもそしてこれからも柔道一本の非常にストイックな人生を歩むのであろう」と推測していた。にも関わらず、いつの間にかプロ野球選手と交際、写真週刊誌でグラビアデビューととてつもなく雲行きが怪しくなり、挙句の果てに結婚。非常に絢爛な披露宴をあげ、TV中継つきで熱烈なキスを披露するというとんでもない方向にシフトチェンジしてしまった。しかし、世界的名誉を獲得し、良き夫にも恵まれるという、女性にとっては羨望の的となるべき人生を歩んでいるはずの彼女を、尊敬するという女性は多くとも憧れている女性はほんのわずかであろう。その憧れというのもシンプルに「彼女のようになりたい」という願望ではなく「彼女のように(ブスでも)ちやほやされていい旦那をつかまえたい」という類ではないかと思われる。もちろん彼女はただのブスではなく、幼少の頃から鍛錬を重ねて金メダルを獲得するという努力の人でもある。しかし、それを踏まえても、多くの女性にとっては彼女の人生(というか結婚)は棚ボタ以外の何者でもないと感じているのだろう。TVなどにも積極的に出演し、ちょっとした文化人気取り、しかも自分が世の女性陣に若干小馬鹿にされているという現実に微塵も感づいている気配がない、という部分がなんともうまく表現できないがとりあえず痛い。というようなことを英会話で2時間ほど議論し続けた姉のことが私は好きでしょうがない。ちなみにその次の回の講義では「最近自分はプレステ2にはまりすぎている。しかもやっているのは「フルハウスキス」というタイトルで「恋愛家政婦アドベンチャー」という往々にして意味不明のジャンルの乙女ゲーでであり、先日ほぼ徹夜でプレイしたため翌日会社に遅刻してしまったのだが、そんな自分を理解できない。どうしよう。」というテーマで話し合ったそうだ。姉、愛してる。